はじめに
「NISAが正義」は、もう前提の話。
NISAは最強の制度です。
これはもう、令和の投資家にとっての共通認識と言っていいと思います。 配当金も、株を売ったときの利益も非課税。
通常なら約20%引かれる税金を、そのまま自分のポケットに残せる。
「まずはNISAから使うべき」 「NISA以外で買うなんて、もったいない」
こうした意見は、ロジックとしては100点満点です。 実際、我が家も新NISAが始まってからは真っ先に戦略を練り、夫婦それぞれの口座でコツコツ枠を埋めてきました。
それでも──。
それでも、です。 我が家は、特定口座(課税口座)をやめませんでした。
ゆる配の2人新NISAが発表されたとき、二人で大盛り上がりしたよね。
成長投資枠だけでも1,200万円×2人で合計2,400万円。
その枠の中で受け取る配当が非課税になるって聞いて、
『これ、ものすごい節税になるじゃん!』って歓喜したの懐かしいな
これは別に「節税なんて興味ない」というカッコいい話ではありません。 むしろ逆で、1円でも多く資産を増やしたくて、いろいろな銘柄に手を出し、ときには失敗もしながら、少しずつ運用の形を整えてきた結果、
「NISAだけあれば全部うまくいく、って話でもなかった」
という結論にたどり着きました。 この文章は、NISAと特定口座のどちらが優れているかを決めるものではありません。
効率だけでは語れない、「現場での使い分け」と「気持ちの安定」の話。 そのリアルな判断軸を、我が家の具体例を交えながら共有していこうと思います。
補足(念のため)
ご存じの方も多いと思いますが、NISA口座で保有している株や投資信託から受け取る配当金・分配金も非課税になります。だからこそ、配当投資との相性が良く、我が家も「まずはNISAから使う」という判断をしています。
まず結論|NISAと特定口座は「優劣」ではなく「役割」
ネットを見ていると、 「NISAこそ正義」 「課税口座で買うのは損」 といった、ちょっと極端な空気を感じることがあります。実際どうなんでしょうか。
でも、5年・10年と投資を続けてみて思うのは、 NISAと特定口座はライバルではなく、役割の違う道具だということです。
イメージで言うと、
- NISA:非課税という名の“特別席”
- 特定口座:失敗も実験も許される“自由席”
そんな関係に近いな、と感じています。



最初は“全部NISAで買えたら最高じゃん”って思ってたんだよね



もちろん、NISAでも売り直しはできるし、枠を空けるために売る選択もある。でもそのたびに『この判断、本当に後悔しない?』って考えることになるでしょ



そうそう。だからNISAには、できれば増配が続いてて、
多少下がっても気にならない高配当株だけを入れたいんだよね



特定口座は特定口座で、ちゃんと勝ちに行く場所。
ただ、調整や入れ替えが“精神的に楽”っていうだけなのよね
どちらか一方が正解で、もう片方が間違い、という話ではありません。 我が家も最初からスマートに使い分けていたわけではなく、迷ったり、ちょっと失敗したりしながら、結果的に今の形に落ち着いたというのが正直なところです。
なぜNISA“だけ”にしなかったのか
NISAは「やり直しに“慎重になる”席」
NISAの一番の魅力は、もちろん非課税であることです。 その一方で、弱点もはっきりしています。
- 一度買った枠は、短期的には簡単に“なかったこと”にできない
- 損をしても、他の利益と損益通算できない
つまり、NISAは「失敗のコストが高い場所」なんですよね。
値動きが激しそうな銘柄や、「ちょっと試してみたい」くらいの軽い気持ちの銘柄を、いきなりNISAに入れてしまうと、
「下がっても損切りしにくい」 「売ると翌年まで枠が戻らない(タイミングは限定される)」
という、心理的にも制度的にも“身動きのとりづらさ”が出てきます。 その感覚を何度か味わってから、我が家でははっきりと、
「NISAは“ほぼ一生付き合う”前提の銘柄だけにしたい」
という考えに変わりました。



まぁそう思っていても相場は簡単にはいかないんだけどね・・・
特定口座は「試しながら微調整できる場所」
一方で、特定口座はとても懐が深いです。
- 少額で試しに買ってみる
- 違うと思ったら、税金や損失も含めて一度リセットする
- その「負け」すら、他の利益と損益通算して調整に使える
つまり、特定口座があるからこそ「試しながら学べる」んですよね。
特定口座という“バッファ”があるおかげで、 「これは長く持ちたい」 「相場が荒れても手放したくない」 と思える銘柄だけを、落ち着いてNISAに入れていける。
今振り返ると、特定口座があったからこそ、 NISAを落ち着いて使い続けられたという感覚があります。
どの銘柄を、どの口座で持つか
J-REITはNISAを優先
J-REIT(不動産投資信託)については、我が家にははっきりしたルールがあります。 「基本はNISA優先」です。
理由はシンプルで、
- J-REITの分配金には、株式配当のような配当控除が使えない
- 特定口座だと、税金を取り戻しにくい
からです。 だったら、最初から非課税枠で受け取る方が効率がいい。 ここは感情ではなく、淡々と制度との相性だけで判断しています。
株主優待株は基本特定口座で持つ
逆に、我が家では、株主優待目的の銘柄は、原則として特定口座で持つようにしています。
- 配当利回りはそこまで高くないことが多い
- 優待廃止・改悪リスクがある
- 「夫婦で100株ずつ」など、細かい株数調整をしたい
こういう銘柄は、いつでも出口を確保しておきたいので、 「損切りも含めて身軽に動ける特定口座」の方が、我が家には合っていました。



優待って、“続けばラッキー、終わったらそういうもの”くらいの距離感がちょうどいいよね



だからこそ、優待目的の銘柄は、
NISAではなく特定口座で持つようにしてる感じだね
優待で生活をちょっと彩りつつ、出口戦略は常に持っておく。 それが我が家なりの“優待との付き合い方です”。
NISAで「いつ買っているか」タイミングの話
年初の「勢い買い」はあえて見送る
よくあるシミュレーションでは、「毎年1月に一括投資が最も効率的」というパターンを見かけます。 ただ、我が家はあえて年初にほとんど動きません。
理由は単純で、
年明けは「今年こそ!」という心理も重なって、
新しくNISA枠が開いた投資家の買いが一斉に入りやすい時期です。
その結果、需給的にも過熱しやすく、
高値をつかみやすいタイミングだと感じているからです。



年明けって、どうしても“今年こそは”って気持ちになるよね



でも、その気持ちが一番高値づかみしやすい気がするのよね。
焦ってNISAで掴んで、あとからモヤモヤするくらいなら、待つ方が楽かなって
実際、去年も今年も、年明けはほぼ“見てるだけ”でした。
そのあと株価がじわじわ上がっていくのであれば、「うーん、まあ仕方ないか」くらいの温度感でスルーしています。
「NISAで含み損を抱えてしんどくなるストレス」に比べたら、多少の機会損失は許容できる。 そんな割り切り方をしています。
3月の権利落ち翌日と、夏場の“拾い場”
我が家がNISAで動きやすいと感じているのは、
- 3月の一斉権利落ちの翌日
- 夏場など、相場が落ち着きやすい時期
このあたりを意識しています。 3月の権利落ち翌日は、配当分を差し引かれて一度ガクッと下がることが多いので、「欲しかった銘柄が、少しだけ安く拾えることがある」タイミング。
とはいえ、ここも狙い撃ちはしません。 「指値が刺さったらラッキー、刺さらなかったらそれはそれでOK」くらいのゆるいスタンスです。
夏場も同じで、「落ち着いて拾えそうな時期まで、あらかじめ候補だけ決めておき、ひたすら待つ」。 そんなリズムでNISA枠を使っています。
年末に枠が余っても「絶対に埋めに行かない」
これが、我が家で一番大切にしているルールかもしれません。 「年末にNISA枠が余っていても、無理に埋めに行かない」ということ。
12月になると、「せっかく枠が残っているし、何か買わなきゃもったいない」という気持ちがどうしても出てきます。
でも、経験上、この心理で買った銘柄は、あまり良い結果になりませんでした。 分析も浅いし、愛着も薄い。 そういう株に限って、翌年いきなり下がったりするんですよね…。
なので今は、「空いたまま終わっても、また来年がある」くらいの感覚でいます。 NISAの枠は、あくまで手段。目的にならないようにしています!



12月になると、枠余ってるの見るとソワソワするよね



する。でも、そのソワソワで買った株って、
だいたい翌年『なんで買ったんだっけ?』ってなるのよ
NISAの「地味にしんどい話」
含み損のNISA銘柄は、やっぱりちょっとダルい
正直な本音を言うと、NISA口座で含み損が出ている銘柄を見るのは、結構「ダルい」です。
特定口座なら、「損切りして損益通算に使う」「一度リセットして、別の銘柄に乗り換える」といった逃げ道があります。 でも、NISAではそうはいきません。
売れば枠はすぐには戻らない。 持ち続けても、いつ戻るか分からない。



NISAのマイナスって、特定口座より心にくるよね。損切りしても税金の還付があるわけじゃないし、ただ枠を捨てた感だけが残るというか……



NISAの含み損って、出口の分からないトンネルみたいな顔してるけどさ。…これ、間違えたら“ただの塩漬け”だからね?
配当が4〜5%あれば「まあ、配当をもらいながら気長に待つか」と割り切りやすいのですが、
- 配当が3%前後
- 優待もついていない
そういう“中途半端な銘柄”がNISAで含み損になると、「これは配当投資?
それとも反省会?」という謎の時間が始まります。
だから今の我が家では、NISAに入れる銘柄は、“反省会にならなそうなものだけ”が通過します。
税金をどう受け止めるようになったか
「税金◯万円引かれている」を見ても、今はあまり何も思わない
配当金の画面を見ると、当然ながら「源泉徴収税額◯◯円」という表示が出ます。
昔はそこに、ちょっとモヤっとした感情がありました。 「ここが丸々手取りだったらなぁ…」みたいなやつです。



昔はさ、税金引かれても
『まあ誰かの役に立ってるなら…』とか、
一瞬だけ大富豪みたいなこと言ってたよね



一瞬ね。一瞬(笑)
そのあと普通にテンション下がってたけど
今は、正直、ほとんど何も感じなくなりました。
確定申告での配当控除や、年末の損益通算も含めて、「税金も運用の一部」として受け止められるようになったからだと思います。
それ以上に大事なのは、口座を見たときに「負けている銘柄だらけで気が重くなる」
そんな状態を、なるべく作らずにいられたかどうか、という感覚です。
できるだけ「負けてる株」を抱えたくない理由
理屈だけで言えば、「一部に含み損があっても、トータルでプラスならそれでOK」という考え方もあります。
でも、毎朝スマホで口座を開いたときに、真っ赤なマイナスが並んでいるのを見続けるのは、やっぱり気持ちのいいものではありません。
我が家では、
- TOBがかかった銘柄
- 利回りはそこまで高くないが、十分な利益が出ている銘柄
こういったものは、タイミングを見て売ることが多いです。 そして、「できるだけ負けている株が目に入らない状態」を維持するようにしています。
これは、理論的な最適解というより、「投資を嫌いにならないための、メンタルケア」に近い?感覚です。
我が家は“夫婦合算”で考えてます
我が家は夫婦それぞれに口座があり、運用も“家庭全体”で見るようにしています。
たとえば、
- まず夫の口座で買う
- そのあと株価が下がり、利回りが上がってきたら
- 妻の口座で“ナンピン気味”にもう100株買ってもらう
こうすることで、家庭トータルでは平均取得単価を落としつつ、夫婦それぞれの優待・配当の恩恵も受けられるという形を作っています。 これもテクニカルな裏ワザではなく、「どうやったら夫婦で気分よく続けられるか」を考えた結果の動かし方です。
2025年の配当金実績
ここで一度、2025年の配当金実績を振り返ってみます。


- ゆる配夫: 税引前 1,734,907円/税引後 1,419,538円
- ゆる配妻: 税引前 355,562円/税引後 318,584円
夫婦合計の税引後配当は約173.8万円。 月平均にすると、およそ14万5,000円くらいのイメージです。
この中には、「NISAで受け取っている分」と「特定口座で、しっかり税金を払って受け取っている分」の両方が含まれています。
もし過去に、「NISA以外では買わない」と決めていたら、おそらくここまでの金額には届いていなかったと思います。 特定口座という“逃げ道”や“試し打ちできる場所”を残していたからこそ、ビビりすぎずに、少しずつ前に進めた。
この数字は、その積み重ねの途中経過みたいなものです。
同じ年の配当金でも、実際に引かれている税金の割合は、夫と妻でかなり差があります。
2025年の実績で見ると、
夫はおよそ18%前後、
妻は10%前後。
配当投資というと「一律で20%引かれる」と思われがちですが、
実際には、口座の使い方や、その年の調整次第で“体感の税率”は大きく変わるというのが、我が家の実感です。
NISAの枠は「いつ埋まるか」を気にしていません
NISAの生涯投資枠はいずれ埋まります。 でも、そこで資産形成が終わるわけではありません。
NISAの枠がいつ埋まるかは人それぞれ。
だから我が家では、「何年で埋めるか」はあまり考えていません。
枠を使い切ったあと、どの口座を使うのか、どんな商品を選ぶのか。 正直なところ、今から細かく決めているわけではありません。
そのときの制度、そのときの相場、そしてそのときの自分たちの生活を見て、「その時点で一番無理のない選択」をする。 今は、そのくらいのスタンスでいます。
NISAも特定口座も、使いこなせたら便利だけど、
無理して合わせるものでもない。我が家では、そんな距離感で付き合っています。



結局、NISAも特定口座も、“南の島で機嫌よく暮らす”ための手段なだけなんだよね



その前に、今日の晩ごはん何にするか考えよ
というわけで、今も試行錯誤中です
NISAは間違いなく、素晴らしい神制度です。 これから投資を始める人が、まずNISAを検討するのは、とても自然な流れだと思います。
一方で、
- NISA枠を埋めなきゃ、と焦ってしまう
- 含み損のNISA銘柄が増えて、見るのがつらくなる
- 「非課税でなければ意味がない」と、自分を追い込んでしまう
正直、「NISAをちゃんと使えてるのかな」って、途中でモヤっとする人も多いと思います。
もし心当たりがあれば、「あえて特定口座という余白を残す」そんな考え方もあるんだ、くらいで
頭の片隅に置いてもらえたら嬉しいです。
非課税かどうかは、もちろん大事。でもそれ以上に、10年後も、20年後も、投資をイヤにならずに続けられているかどうか。我が家では、そこを一番大事にしています。
この話が、「NISAか特定か、どっちが得か」ではなく、「自分はどんな距離感なら、気分よく続けられそうか」
を考えるきっかけになれば幸いです。



結局、投資は人生を楽にするためのものなんだよ



じゃあ先に、今夜の献立を楽にして
本ブログで紹介している運用実績や投資手法は、あくまで「ゆる配ファミリー」の実体験に基づく個人の感想です。投資には元本割れのリスクがあります。将来の利益を保証するものではありませんので、最終的な投資決定は、ご自身の判断と責任でお願いいたします。2026年現在の税制や各サービスの規約に基づき執筆していますが、最新の情報は各公式サイトをご確認ください。


