はじめに
「配当金、税金ってどうしてますか?」
…こう聞かれて、スッと背筋が伸びる方はどれくらいいるでしょうか。
正直に白状しましょう。私(ゆる配夫)も、かつては「確定申告」という四文字が視界に入った瞬間、脊髄反射でブラウザのタブを爆速で閉じていた人間の一人です。
ゆる配夫だって、難しそうだし。間違えて怒られたら嫌だし。……何より、あの『お役所感』全開の画面を見るだけでHPを削られるんですよね(笑)



お役所デザイン眠くなります。
せっかくコツコツ育てて、ようやくチャリンと届いた配当金。 証券口座の履歴を見て「よしよし」と目を細める時間は、投資家にとって至福のひとときです。 でも、その横にひっそりと刻まれている「所得税」「住民税」の文字。
「これ、手続きしたら返ってくるらしいよ」 「知らないと損してるよ」
そんな言葉を耳にするたび、なんだか宿題を忘れた子どものような、落ち着かない気持ちになったことはありませんか?
今回のテーマは、そんな多くの人が一度は耳にしたことがあるであろう 「配当金控除」 についてです。
ただ、最初にお約束します。 この記事では、e-Taxの操作方法も、呪文のような税率の計算式も、一切出てきません。
私たちが伝えたいのは、配当金控除は「知らないと損するテクニック」ではなく、自分の配当が今どのくらい育ったのかを知ったうえで自分なりの「納得感」を見つけるためのものだということです。
「今年はやる? それとも、あえてスルー?」
そんなふうに、コーヒーでも飲みながら、自分の資産と対話する時間として読んでいただけたら嬉しいです。
配当金控除って、結局のところ何?
難しい言葉を抜きにして、とてもシンプルに言うと、配当金控除とは 「すでに払われすぎた税金を、少しだけ取り戻せるかもしれない選択肢」 のことです。
そもそも配当金というのは、会社がまず法人税を払ったあとの、いわば「残り香」のようなもの。そこにさらに、私たち個人の手元で税金がかかります。
つまり、同じ利益に二度税金がかかっている(二重課税)状態になっているわけです。
「それはちょっと厳しくない?」 ということで、国が用意してくれている“調整弁”。それが、配当金控除の正体です。
ここで大事なのは、これが裏技でも、特別な節税テクニックでもないという点。 日本国内の企業を応援し、その成長のおすそ分けを受け取っている投資家に用意された、ごく正当な制度です。
ただし、この制度には「使う条件」と「使わないほうがいい理由」が、実に絶妙なバランスで混ざり合っています。
この配当金控除は、
・NISA口座の配当
・米国株などの外国株(外国税額控除はまた別のお話)
・J-REIT
には適用されません。今回の記事では「制度の使い方」ではなく、あくまで考え方の話に絞っているので、詳しい理由の説明はここでは省きます。
「ゆる配ファミリー」の現在地:我が家は毎年“会議”をしています
我が家では、毎年2月になると決まってこんな会話が交わされます。



今年は特定口座の配当、結構増えたよね。僕の分は申告したほうがいいかも?



私はどうかな。NISAがメインだし、特定口座分だけのために手間をかけるのもなあ。今年は“スルー”でいい気がする
お気づきでしょうか。 世の投資ブログが「還付金ゲット!」と沸き立つなか、我が家は「あ、今年は面倒だから見送るわ」とお茶をすすりながらスルーする年も普通にあります。
同じ家に住んでいても、
- その年の配当額
- 働き方(所得)
- どれだけの手間を許容できるか によって、答えは毎年変わります。
僕らが大事にしているのは、「どっちが得か?」という正解探しじゃないんです。 それよりも、「いまの自分たちにとって、どっちがストレスなく、納得できるか」という、なんともゆるい基準を大切にしています。



確定申告するなら、ふるさと納税も一緒に申告しないといけないよね。
あれもこれもって考えると、“手間”は一気に増えるよ?
配当金控除だけを切り取れば「得」に見えても、
ふるさと納税や他の控除と合わせて考えると、
その年の“税金まわりの作業量”は人によって大きく変わります。



ふるさと納税の書類大体どこにあるか捜索から始まるんだよね
配当が“おまけ”じゃなくなった人へ
「自分にはまだ早い」と感じている方も多いと思います。 でも、もしこんな変化を感じ始めているなら、一度だけ「配当金控除」という選択肢を眺めてみてもいいタイミングかもしれないです。
- 配当金が、家計や再投資にはっきり効いてきた
- NISA(非課税)の枠をしっかり使い切っている
- 「自分の資産を“守る”感覚」を楽しみたくなってきた
「今年は一回、調べてみようかな」 もしそんな風に思えたとしたら、それはきっと「配当という第2の給料」が、無視できないくらい立派に育ってきた証拠なんだと思います。
私たちも、最初は「税金なんて考えたくない!」と逃げ回っていました。でも、ある時ふと「あれ?これだけ配当が増えたなら、ちゃんと守ってあげなきゃもったいないかも」と思える瞬間が来たんです。



ようやく僕らも、小銭じゃなくて『資産』を扱ってるんだなー、なんてちょっと感慨深くなったりして(笑)
「あえて、やらない」という立派な戦略
ここが今日、一番お伝えしたい話です。 はっきり言っておきます。配当金控除をしない選択は、決して「損」でも「不勉強」でもありません。
むしろ、自分の状況を理解したうえで「やらない」と決めるのは、とても賢明な判断です。
たとえば、こんなケース。
- 手間とリターンが見合わない :数時間かけて、戻ってくるのが数百円。それなら、その時間を家族との外食や、次の銘柄分析、あるいは全力で昼寝することに使ったほうが、人生の満足度は高いかもしれません。
- 「年収の壁」を意識している :扶養の範囲内で働いている場合など、税金を取り戻そうとして申告した結果、合計所得が増えてしまい、かえって不利になることもあります。
- そもそも対象外がメイン :NISA口座はもちろん、米国株やJ-REITは配当金控除の対象外です。ポートフォリオの主役が彼らなら、無理に確定申告の土俵に上がる必要はありません。
特定口座(源泉徴収あり)は、私たちが本業や生活に集中できるように作られた、とても便利な仕組み。 その恩恵をフルに受けて、「あえてスルーする」のも、立派な戦略なんです。



なので我が家では、J-REITや高配当株はNISA口座を、
株主優待株は特定口座を使うことが多いです。



1円単位で得することより、日曜日に夫婦でゆっくり過ごす時間のほうが大事なときもあるのよ
(少しだけ)数字の裏側で、静かに動いているもの
実は、税金の話って「税金」だけで終わらないのが、ちょっとややこしいところなんです。 せっかく確定申告で税金が戻ってきても、そのせいで翌年の住民税や、健康保険料がこっそり上がっちゃう……なんて、笑えないパターンも存在します。
「税金は戻ったけど、あとから別の負担が増えた」
そんなことが起こりうる世界だからこそ、私たちは「全員やるべき!」なんて煽ることはしません。
「知ったうえで、選ぶ」ことが何より大切なんです。
前回の記事では、YOC(買値に対する利回り)という視点から、
配当は「いまの利回り」ではなく、過去の選択が時間をかけて育った結果だという話をしました。
▶︎ 150銘柄から算出|夫婦のYOCランキングBEST5&WORST5
今回の配当金控除の話も、実はその延長線上にあります。
配当が「育った」あと、次に考えるのが「どう守るか」という話だからです。
結論:配当金控除は「テクニック」じゃない
前回の記事では、YOC(買値に対する利回り)の話をしました。配当は「勝手に育つ」んじゃなくて、あの日、勇気を出してポチった結果が、時間をかけて形になったものなんだ……というお話でしたよね。
今回の配当金控除も、根っこは同じです。 この制度に向き合うことは、「自分は今、どこから、どれくらいの配当をもらっているのか」「それは、手間をかけてでも守る規模になったのか」を確認する、年に一度の儀式のようなもの。
「知らないと損する制度」ではありません。 配当が育ってきた人が、いまの自分の立ち位置を確認するための制度です。



結局、納得して“選べているか”が一番大事だよね



今年も“やらない”なら、それはそれでOK。自分で決めたことなら、それが正解だもんね
まずは、特定口座に届いた配当金の通知を、スマホ片手にのんびり眺めてみるだけでも十分です。
「お、あの日ポチったあの子、意外と頑張ってくれてるな」
そうやって、「あの日ポチった自分、グッジョブ!」と過去の自分を労う答え合わせをしているうちに、「次は自分の手で、この配当を最大化しようかな」と思える日が来るはずです。



「勝手に引かれる税金を見て見ぬふりするより、自分で『今年はこうする!』って決めたほうが、なんだか自分たちの資産を可愛がってる感じがするもんね」
「やらされる投資」から、「自分の意志でハンドルを握る投資」へ。 我が家のゆるい投資の旅は、明日もまだまだ続きます。
確定申告の時期は「毎年2月中旬〜3月中旬」です。
配当金控除の制度概要や正式な条件については、
国税庁の公式ページも参考になります。
※本記事では「やり方」ではなく、考え方にフォーカスしているため、詳細な制度説明は省いています。


